私たちはオルヴィエートのそばに住んでいる。そばといっても、車で30分はかかるのだけれど。
オルヴィエートといったら、まず有名なのは白ワインだけれど、街もいい。あまり大きすぎず、小さすぎず、見るものもそれなりにあって、なおかつ観光客でごった返すこともなく、静かに休日を過ごすのであれば、お勧め。ぜひ遊びに来てください。
10年ほど前、初めて旅行会社のイタリアツアーに参加したとき、オルヴィエートも組み込まれていた。多くの街を回った中で、一番落ち着く、と思ったのがオルヴィエートだった。ところが、あまりに欲張りなツアーで、あまりに多くの場所を訪れたために、名前がすっかり頭から抜けていた。この街に再び連れてこられても、まだ思い出さず、久しぶりに昔の写真を見ていたとき、あれ?っとようやく気がついた。ああ、私、昔ここに来ていたんだ。
・・・・私、ここに縁があったのでしょうか。
二人で行動することは多いけど、デートすることはあまりない私たち。それでも、時には近辺の街中をお散歩する。もちろんオルヴィエートにも行く。
ある天気のいい秋の日、オルヴィエート名所の一つ、「聖パトリツィオの井戸」を見に行くことにした。
深さ62メートル、幅13、14メートル、凝灰岩をくりぬいて作ったこの井戸、一体どのぐらいの年月をかけたのかと思うが、1527年から37年の10年間で完成したというから、思ったほど時間はかかっていない。別の資料には「完成は1556年」とかかれているから、こちらは約30年説。いずれにせよ、100年はかかっていない。サグラダ・ファミリアよりはずっと短い。
岩をくり貫くなんて、よっぽど大変な作業だろうと思ったら、凝灰岩はそれほど硬いわけでもなく、加工しやすいんだとか。
井戸には248段の螺旋階段二つが、お互い重なり合うように造られている。これから井戸に行く「下りの人」、水を汲んで戻る「上りの人」がぶつからないようになっている、という工夫。自分は下っているのに、向かいの窓にはのぼりの階段が見え、階段は二つある、と頭では分かっていても、自分は一体どこの階段を歩いているのか混乱して、目が回ってくる。
下へ下へと降りていくと、階段の内側に開けられた窓からさす光が、段々色を失くしていく。空に開らかれた天辺の光が、どんどん小さくなって、最後には空高く上がった満月のように遠くなってしまい、周りの空気が冷えていくのと同時に世の中の全ての雑音からも遮断され、底につく頃には全く別世界に来た様に思えた。
・・・ちょと背筋が寒い感じ。
その時私たち以外、誰も降りていく人はいなかったから、余計に静まり返っていて、ゾクゾクした。閉所恐怖症の人には、あまりお勧めのスポットではないかも・・・・・・・。

Pozzo di San Patrizio
井戸の底には、小さな橋がかかり、今はわずかな水があるのみ。底には観光客が落とした硬貨が見える(他には何もないですよね、おーい、誰かいるかい・・・?)。
「硬貨を投げるといいことあるよ」
というので、やってみた。すると、
「何してるの、後ろ向きで投げるんだよ」
と、指摘された。
そういえば、そんなシーン、「ローマの休日」でありましたっけ?もー、投げる前に言ってよ〜。
根っから日本人の私は、まるでお賽銭を投げるように、正面から投げちゃいました。ついでに手も叩いておこ。

月〜金 ポテンティーノ城の思い出
土、日 イタリア人の彼と彼の家族との生活
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オルヴィエートといったら、まず有名なのは白ワインだけれど、街もいい。あまり大きすぎず、小さすぎず、見るものもそれなりにあって、なおかつ観光客でごった返すこともなく、静かに休日を過ごすのであれば、お勧め。ぜひ遊びに来てください。
10年ほど前、初めて旅行会社のイタリアツアーに参加したとき、オルヴィエートも組み込まれていた。多くの街を回った中で、一番落ち着く、と思ったのがオルヴィエートだった。ところが、あまりに欲張りなツアーで、あまりに多くの場所を訪れたために、名前がすっかり頭から抜けていた。この街に再び連れてこられても、まだ思い出さず、久しぶりに昔の写真を見ていたとき、あれ?っとようやく気がついた。ああ、私、昔ここに来ていたんだ。
・・・・私、ここに縁があったのでしょうか。
二人で行動することは多いけど、デートすることはあまりない私たち。それでも、時には近辺の街中をお散歩する。もちろんオルヴィエートにも行く。
ある天気のいい秋の日、オルヴィエート名所の一つ、「聖パトリツィオの井戸」を見に行くことにした。
深さ62メートル、幅13、14メートル、凝灰岩をくりぬいて作ったこの井戸、一体どのぐらいの年月をかけたのかと思うが、1527年から37年の10年間で完成したというから、思ったほど時間はかかっていない。別の資料には「完成は1556年」とかかれているから、こちらは約30年説。いずれにせよ、100年はかかっていない。サグラダ・ファミリアよりはずっと短い。
岩をくり貫くなんて、よっぽど大変な作業だろうと思ったら、凝灰岩はそれほど硬いわけでもなく、加工しやすいんだとか。
井戸には248段の螺旋階段二つが、お互い重なり合うように造られている。これから井戸に行く「下りの人」、水を汲んで戻る「上りの人」がぶつからないようになっている、という工夫。自分は下っているのに、向かいの窓にはのぼりの階段が見え、階段は二つある、と頭では分かっていても、自分は一体どこの階段を歩いているのか混乱して、目が回ってくる。
下へ下へと降りていくと、階段の内側に開けられた窓からさす光が、段々色を失くしていく。空に開らかれた天辺の光が、どんどん小さくなって、最後には空高く上がった満月のように遠くなってしまい、周りの空気が冷えていくのと同時に世の中の全ての雑音からも遮断され、底につく頃には全く別世界に来た様に思えた。
・・・ちょと背筋が寒い感じ。
その時私たち以外、誰も降りていく人はいなかったから、余計に静まり返っていて、ゾクゾクした。閉所恐怖症の人には、あまりお勧めのスポットではないかも・・・・・・・。

Pozzo di San Patrizio
井戸の底には、小さな橋がかかり、今はわずかな水があるのみ。底には観光客が落とした硬貨が見える(他には何もないですよね、おーい、誰かいるかい・・・?)。
「硬貨を投げるといいことあるよ」
というので、やってみた。すると、
「何してるの、後ろ向きで投げるんだよ」
と、指摘された。
そういえば、そんなシーン、「ローマの休日」でありましたっけ?もー、投げる前に言ってよ〜。
根っから日本人の私は、まるでお賽銭を投げるように、正面から投げちゃいました。ついでに手も叩いておこ。

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